16歳、母になる。ーあの日の決断と、それから。

私の16歳は、まさかの妊娠発覚からスタート。
「16歳」って、もっと気楽に遊んでるイメージだったんですけどね。
ドラマみたいな話だけど、これが私のリアルな日常になりました。

当時の私は、少し複雑な環境にいて、親も病気を患っていました。そのため親元を離れ、子どもたちだけで身を寄せ合って暮らす毎日。
頼れる大人がすぐそばにいない……。そんな不安のただ中で、私の中に新しい命が宿りました。


16歳のリアルな戸惑いと、届いた言葉
なんだか最近、急に気分が悪くなる。ご飯の匂いもダメ。何度もえずくし、そういえば生理も来ていない。「これ、絶対おかしい」と思って、最初は内科へ行きました。診察室の奥で、先生が「妊娠してる……」って小さく呟くのが聞こえた気がして、心臓が跳ね上がりました。

でも、まだ信じたくない。というか、信じられない。
「何かの間違いであってほしい」と思いながら、震える手で市販の検査薬を使いました。窓に浮かび上がったのは、消えそうだけど、でも確かな「うっすらとした線」。その瞬間、頭の中が真っ白になって、世界から音が消えたのを覚えています。

相手も同じ16歳。結婚なんてまだできない。
パニックになりそうな自分を必死に抑えて、震える手で電話をかけました。

最初に伝えたのは、彼でした。
受話器の向こうで彼が動揺しているのが伝わってきて、長い沈黙が続きました。でも、彼は驚きを飲み込むように、まっすぐ言ってくれたんです。「産めよ」って。その一言で、暗闇にいた私は少しだけ前を向けた気がします。

次に電話したのは、母でした。
母は泣いていました。「そうじゃないかと思ってた」って。そして、震える声で「産みたいなら、産みなさい」と言ってくれました。母の涙が、私の不安をそっと包んでくれたようでした。

その後、彼の家族にも会いに行きました。怒られるかもしれない、反対されるかもしれない……と覚悟していましたが、そこで待っていたのも「産んでいい」という力強い言葉でした。

それまで親と離れて暮らしていた私にとって、出産までの準備は「家族みんなで暮らす」という、もう一つの大きな変化の始まりでもありました。

「16歳の妊娠」って、周りからは反対されたり白い目で見られたりするのが普通かもしれません。でも私の場合は、身近な人たちが「産みなさい」って背中を押してくれた。その言葉があったから、迷わずにこの子を迎えようと思えました。